「手伝って!」勇気あるひと声から見えたもの-地下鉄の中で
乗車して駅をいくつか過ぎた頃だった。
止まった駅で扉が開いたその時
「誰か!若い方手伝って!」
そこには80代の夫と思われる男性を車椅子に乗せ、 ハンドルを握る小柄な老婦人の姿があった。
そして寄り添うようにいたのは、声を発した女性‥
年の頃なら私より少し上であろうか。
車内では『若い方!』に弾かれたように、高校生や若者たちが腰を浮かせた。
入り口付近にいた青年二人が車椅子を抱えて無事乗車。
ところが、ここからがこの女性の見事な所だった。
「私は次の駅でおりますが どちらまでですか?」
と、周りに聞こえるように尋ねている。
老夫妻はまた車椅子の両脇を抱えられ、希望の駅でおりて行った。
車内の人は皆 二人が降りる駅を知らされていたのだから…
名誉のために申し上げるが、札幌市営地下鉄では職員による車椅子乗降サービスが行われている。
それを知らずに、ホームまで降り立った老夫妻。
自分一人では車椅子を抱えることはできないけれど、機転を利かせて声を発した勇気ある女性。
それに答えて、腰を浮かせた若者たち。
誰かの役に立てたなら、きっと誰もが嬉しいはず❤︎
優しい心をつなぐ架け橋の役割りになれるか
できるならスマートにカッコ良く‥❤︎
私たちの年代、試されている